最近(4月)の経済状況について・・・
『景気は底入れしたのか?』
4月に入って、市場は落ち着きを取り戻したかのような動きをしている。
各国政府の閣僚も、『金融危機は峠を越えた』とするコメントがちらほら出てきた。
本当に、金融危機は峠を越えたのだろうか・・・
4月…米国金融機関の1月-3月期四半期決算が発表された。
シティ、ゴールドマンサックス、JPモルガンチュース、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ等の金融機関が空前の好業績を発表した。
公的資金を注入しなければ今すぐ破綻しそうな金融機関に何が起こったのか?
市場はこの決算発表を好意的に受け止め、株価は落ち着きを取り戻した…
…だが…米国金融機関の決算発表は信用できるのか。
シティ、JPモルガンチュース
債券をグループ会社に高く売り、当該債券を安く買い戻して利益をひねり出した。日本で言う、いわゆる「とばし」だ。
ゴールドマンサックス
1月-3月期は、18億ドルの黒字決算。
9月-11月期の決算期を12月末に変更し、1月-3月に四半期決算期をずらした。この結果、12月の約8億ドルの損失を隠す事に成功した。
バンクオブアメリカ
買収したメリルリンチの資産を再評価し直した。
不動産価格が下落している状況で、時価を高めに再評価し、帳簿上の利益を操作した。
ウェルズファーゴ
1月-3月期は、史上最高益を演出した。
同時に、政府に500億ドルの公的資金支援を要請している。
本当に利益を出していたら、公的資金を要請する必要はないのでは???
米国政府は、金融危機を乗り切るために長期国債を乱発している。
売れ残った国債は、FRB(米中央銀行)がドルを増刷し買い取る事になっている。
タコが自分の足を食べるようなものだ。
この事は、将来、金融危機が底を打ち回復基調になったときに、激しいドル安を引き起こす時限爆弾となる。
私の考えでは、5月から8月にかけて、もう一段の下落相場を迎える局面があると予想している。
『中国は、世界の主導権を握れるか?』
4月2日、ロンドンでG20金融サミットが行われた。
G20金融サミットの成果は、先進国間の駆け引き、先進国と新興国さらに新興国同士の駆け引きと、各国の思惑が絡み合い、利害調整の構図が複雑になった事を鮮明にしただけである。
金融サミットの合意事項
1.世界経済2%成長
2.財政出動500兆円
2010年までに世界成長率を4%引き上げ
3.IMFの資金基盤3倍の7500億ドルへ引き上げ
IMFの出資比率見直し(中国の発言権拡大)
新興国支援
4.ヘッジファンド規制
5.保護主義回避
IMF(国際通貨基金)の役割の強化
IMFなどによる新興国支援、総額1兆1千億ドル
「国際機関を通じた世界規模の量的金融緩和」
IMF債券の発行を議論(中国が主導権)
先進国が、国債の発行、金利の引き下げ、マネーサプライの増加などで、身動きが取れなくなってきた中、中国がIMFへ400億ドルの拠出を表明。IMFでの発言権を強化している。
IMFの主導権は、英米から中国へ奪われつつある。
自動車販売も、米国での販売台数を抜いて、中国国内での販売台数が世界一となった。
消費の中心が米国から中国へ移ってきたといえる。
中国は、米国債保有率も世界一。
潤沢なドル資産を保有しているが、今後のドル下落に備えて、ドル資産の処分の準備も進めている。
英米が没落していく中で(ドルとポンドは将来的に確実に下落する)、相対的に消費も多く外貨保有率も高い中国は、無視できない大国になっていく事は間違いない。
『我々は、どうすればよいのだろうか?』
金融危機から始まった経済危機…
いずれ回復するのは間違いないが…
問題なのは、いつが底なのか? どの国(地域)が回復が早いのか?
これらの見極めが重要になってくる。
輸出依存度の高い日本経済の回復は、諸外国の消費の回復にかかっている。
国内需要の掘り起こしでGDPを回復させる構造改革は、そう簡単にできるものではない。
つまり、日本経済の立ち直りが諸外国より早いという事はない。
諸外国の消費が回復基調に向かいはじめて、その後タイムラグがあって、日本経済が回復へ転換するというシナリオだ。
諸外国の消費が上向き、日本の貿易収支が黒字転換した段階で、ようやく日本経済が立ち直りをみせたという判断で間違いないだろう。
それまでの我慢という事か…


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